Gloucester Road Junction信号扱所について
Gloucester Road Junction信号扱所はロンドン南部、ロンドンとイングランド南部海岸とを結ぶLBSC(London, Brighton and South Coast)本線上にある、
Croydon Tangleと呼ばれるジャンクションの中心に位置しています。4つものダブルジャンクションで構成され、北へ向かうLondon victoria・London bridge方面、
南へ向かうEast Croydonへの緩行線列車及び、West Croydon方面を行き来する列車などの運行を司っています。
★隣接信号扱所は、
・Norwood Fork Junction (East Croydon Spur及びWest Croydon Spurを経由して、London Bridgeへと向かう列車) 北に534ヤード
・Selhurst Junction (Selhurst Spur及びEmergency Spurを経由してLondon Victoriaへと向かう列車) 北に535ヤード
・Windmill Junction (East Croydon及びSouth Coastへと向かう列車) 南に307ヤード
・West Croydon North (West Croydon、Sutton、Leatherheadへ向かう列車) 南に1154ヤード
見ての通り、隣接信号扱所とはかなり距離が近い為、列車の承認には特別な取り扱いが必要となります。また、Sykesシステムが設備されています。
★速度制限
緩行線の速度制限は60mph
ジャンクションを通過する緩行線は20mph、East Croydon Spurは15mph、Emergency Spurは20mph、その他は30mph
★当信号扱所のベルについて
この地域では特別なベルコードが使用されていたようですが、シミュレーション内ではSouthern Railwayの一般的なベルコードを使用し、以下のような使い分けを行っています。
・West Croydon及びSelhurst方面へと向かう列車は支線ILC及び支線TESによってベルを受けます。
・他の方面へと向かう列車(つまり、Norwood Fork JunctionやWindmill Junction方面へと向かう列車)は本線ベルによってベルを受けます。
・隣接信号扱所へのベルの送信は全て本線ベルによって行います。
★クリアリングポイントと列車承認条件
TOOSについてはSykes装置がTRAIN ON LINEからBLANKに変わった時点で与えられますが、対応するSykes PlungerがFree to Plungeとなるのは次の条件を満たしてからです。
・Norwood Forkからの列車(East Croydon Spur経由)
転轍器20が定位であり、信号8が定位
Windmill BridgeよりTOOSを受けてから
・Norwood Forkからの列車(West Croydon Spur経由)
転轍器17が定位であり、信号9・11が定位
「転轍器19が反位であり、West Croydon 第二出発信号機(信号16)まで在線なし」または「転轍器20が反位であり、Windmill Bridge までの区間が在線なし」のどちらかの条件を満たす事
・Selhurstからの列車(Selhurst Spur経由)
転轍器17が反位であり、信号13・15が定位
「転轍器19が反位であり、West Croydon 第二出発信号機(信号16)まで在線なし」または「転轍器20が反位であり、Windmill Bridge までの区間が在線なし」のどちらかの条件を満たす事
・Selhurstからの列車(Emergency Spur経由)
転轍器48が反位であり、信号47が定位
・West Croydon Northからの列車
転轍器29が定位または転轍器50が反位であり、信号38・52が定位
転轍器50が反位でありSelhurst Junction(Emergency Spur)まで在線なしまたは、転轍器50が定位で信号38の内方440ヤードが在線無しである事
・Windmill Bridgeからの列車
信号31または34が反位(以下参照)
さらに、オーバーラップが短い為に、上り方向の列車に対して以下の特別な取り扱いが行われています。
・信号34と38は、信号32または信号33のどちらかが反位でなければ反位とする事は出来ません。
・更に信号32はNorwood Fork(West Croydon Spur)の、信号33はSelhurst (Selhurst Spur)のPlungeを必要とします。
→従って、Windmill BridgeからSelhurstや上りWest Croydon Spur方面の列車はより先の信号扱所の承認が取れ、当信号扱所管内の経路上の信号が反位としてからでないと承認する事が出来ません。
★運行パターン
※当信号扱所では、他からのベルに従って運行すれば、運行パターンはさほど意識する必要はないかと思いますが、研究材料として掲載しておきます。
・Norwood Junction経由で北方向へ向かう列車
1.Forest Hill経由、London Bridge行き
2.Crystal Palace、Tulse Hill経由、London Bridge行き
3.Crystal Palace経由、London Victoria行き
・Selhurst Junction経由で北方向へ向かう列車
1.Balham、Clapham Junction経由、London Victoria行き
2.Tulse Hill経由London Victoria行き
・East Croydon経由で南方向へ向かう列車
1.Brighton、Eastbourne行き(RedhillまたはThe Quarry Line経由)
2.Oxted、East Grinstead、Lewes行き(蒸気牽引)
3.Coulsdon North、Redhill、Three Bridges行き
4.Tattenham Corner行き
・West Croydon経由で南方向へ向かう列車
1.Epsom Down、Sutton、Dorking行き
2.London BridgeからBognor RegisやPortsmouthへ向かう長距離列車は通常、Mitcham Junctionを経由しますが、ラッシュ時間帯にはWest Croydon経由となるものもあります。
旅客列車に加えて、ある程度の本数の小包列車や新聞列車、回送列車や機関車主体列車が運行されます。
またEast Croydonからの貨物列車は通常貨物線を通り、WindmillやNorwoodに向かいますが、West Croydonからの列車は当信号扱所管内を通過します。
・Emergency Spurは第一次世界大戦期に、ロンドン近郊のルートの柔軟性を上げる為に計画されました。旅客列車の運行にはほとんど使われず、
通常4往復の列車が走るのみで、回送列車や小包列車、貨物列車がラッシュ時以外の時間帯にClapham Junctionへ向けて通過します。
・West Croydon SpurはEast Croydon方向(Windmill方向)との行き来の為の信号設備がありますが、慣習的にそのようなルートは設定されていません。
そのような特別な列車にはシミュレーション内の時刻表で注釈がなされます。
・競馬開催日
London Bridge及びVictoriaから、Epsom Down及びTattenham Cornerへのルート上に位置していますから、Epsom Downでの競馬開催日には興味深いバラエティー豊かな運行が行われるでしょう!!
★脱線転轍器26及び49
Selhurst Junction まで非常にきつい勾配であるため、Selhurst SpurとEmergency Spurにそれぞれレバー26と49の脱線転轍器が設置されています
(勾配に負けて逆送してきた列車をジャンクションに突っ込ませず、その手前で強制的に脱線させる)。
実際のGloucester Road信号扱所では、Sykesロックと閉塞鎖錠装置の柔軟性を確保する為に、個々の脱線転轍器は対応する場内信号機からの鎖錠を受ける事無しに、
当該信号機を鎖錠させています。これは列車暴走の際に信号を定位に戻す手筈をせずとも、速やかに脱線転轍器を定位に出来、その機能を発揮させるものです。
この仕組みをシミュレーション内で採用した場合、従前のように信号を先に定位にしなければいけないデメリットが無くなる代わりに、
信号を反位とする際にRelease Keyを取り扱う必要が生まれます。ですから、シミュレーション内では信号と脱線転轍器の鎖錠は従来通りの方法で鎖錠を行っています。
しかしながら、適切な信号扱所からのPlunge操作がなければ脱線転轍器を反位に出来ない点や、TOOSを受信する前に脱線転轍器を定位としておかなければならない点など
(さもないとエラーとしてカウントされます)、実際の特徴を捉えたシステムが再現されています。
※補足説明
あくまで、研究として掲載しておきますので、興味のない方は読み飛ばして頂いて構いません。
上記したシステムについて少し考察しておきます。

★Warning arrangement
Emergency Spur経由のSelhurst方面、West Croydon North方面に於いて、旅客列車を含めて、Section clear but Station or Junction Blocked(規則5)下での列車の承認が許可されています。
信号42と23がその目的で備え付けられています。この取り扱いの必要性が生じるのは、ILCベルが承認されず3-5-5ベルが送られて来た場合です。
列車を進出する準備が整っている場合、3-5-5ベルを承認し、その返答はSykes装置がWarningがFreeと変わった事を持って行う事となります。
一方、列車の進出準備が整っていない場合、3-5-5ベルを承認せず、ILCベルを適切な間を開けた後に送り、通常通りの取り扱いを行います。
★ILCベルのキャンセル(3-5)
列車の進出をオファーし、それを取り消したい場合、このシミュレーションがのプログラムがまずチェックするのは、安全な運行を保障出来るかであり、
あなたに何をすべきかをアドバイスします。例えば他の信号が既に反位となっていて安全な運行が保障出来ない場合、無論許可はされません。
その様な状況に陥らないように用心を常に心掛けよう!お気の毒に(hard luck)!
そんな状況からどうにか抜け出さなければならない、それが出来なければシミュレーションをシャットダウンして再起動せよ!!!
当信号扱所のFPLはstand NORMALです。定位状態でロックです。従って、転轍器の状態を変える前にFPLを反位とする必要があります。
このstand normalの取り扱いはこの信号扱所が建設された当時、LBSCにおける慣習でした。そのメリットは、常にレバーの体制を綺麗に保てる事であり、
それはレバーが定位で並んでいれば、適切な信号レバーを反位にしやすい点にあります。一方、デメリットとしては、大抵とても重い転轍器レバーを引くのに邪魔になってしまう事です。
その他の各社は対象的な慣習を大抵採用していました。
★ベルの送信
ベルを直接クリックしてもよいですが、当該のファンクションキーを押すことでベルを送る事も出来ます。
Norwood Fork Junction(East Croydon Spur) F1
Norwood Fork Junction(West Croydon Spur) F2
Selhurst Junction(Selhurst Spur) F3
Selhurst Junction(Emergency Spur) F4
Windmill Bridge Junction F5
West Croydon North F6
★Flank protection
まず、それぞれのダブルジャンクションにはFlank Protectionの基本的な鎖錠が施されています。例えば、転轍器21が定位となるまで20は鎖錠(lock)され、
20が定位となるまで21は鎖錠(back lock)されます。17と27、19と29についても同様です。
★その他のFlank Protection
・転轍器48反位により19を鎖錠、19反位により48を鎖錠
・転轍器29が21と51を反位に鎖錠
・脱線転轍器26が転轍器27を鎖錠し、脱線転轍器49が転轍器51を鎖錠
周辺地域の地図を再掲します。よーく確認してみてください。


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